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……そんなことをぼんやり考えていると、しらべがう……んと声を上げた。起きたかな?
「しらべ、起きた?」
「あ、あれ?私……ごめんなさい……寝ちゃって……」
消え入りそうな声で謝るしらべ。
「しらべは何も悪いことはしてないよ?身体は暖まった?」
「あ……うん……ぽかぽか……あ、あれ?私の荷物……」
あちこち見渡して慌てるしらべの膝に、さっきしらべの手からもぎ取った荷物を置く。ロッキングチェアが大きく傾いだ。
「あ、あのね。樹さん。これ……クリスマスプレゼント……」
恥ずかしそうに、僕に緑の包装紙に包まれた、赤いリボンの包みを差し出す。ちょっとドキドキしながら受け取る。
「ありがとう。開けてもいい?」
聴くと、コクリと頷く。
包みを開くと、暖かそうな膝かけ。
「あのね。樹さん、ここに座って、紅茶飲んで……本読んだりするでしょう……?その時にいいかなって……思って……」
どもりどもり話すしらべの言葉を聴いて、僕は膝にもらった膝かけをかけてみる。とっても暖かい。
「凄くあったかいよ。ありがとう、しらべ。」
そういうと、
「よかった……」
と安堵した表情。僕そんなに怖いかな……。ちょっと自信がなくなってくる。
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