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「自己紹介が終わった所で訓練、って行きたいところだけど今日はもう終わりなのよね」
スフィアが手を叩き言う。
「レルト、ミルンを社宅に案内して上げて。そしたら今日は休みよ。他の人は片付けが終わったら。良いね?」
「了解」
小気味の良い返事と共に小隊は解散、レルトがミルンに付いてくる様に言った。
「荷物は控え室かな?」
「うん、そうだよ。えーと、ナイバート君」
「レルトで良いよ。ファーストネームの方が呼ばれ慣れてるから」
苦笑混じりにレルトが言う。
彼は控え室のドアを開くと、荷物を取るように指示する。
ミルンは脱いでたたんである服を鞄に入れ、素早く控え室を出た。
「ミルンは僕と同い年だよね。学校はどうするの?」
道中、レルトが尋ねた。
「既にこの近くの国立学校に転入届を出してるよ。明日から登校するの」
「それじゃあ、一緒に登校しようよ。明日の朝、迎えに行くね」
くったいない笑顔でそう誘われると、拒否する気にはなれない。
ミルンは素直に頷くと、レルトは嬉しそうな顔をする。
「一緒のクラスだと良いね」
「そうだね。にしても……随分と柔らかい口調だね。駅では固かったのに」
レルトの年相応の口調に何処かホッとするミルン。
「ミルンこそ。まぁ、あれは一応任務で外部の人間を迎えるからだよ。けど、今は同じ訓練部隊の人間。ミルンには僕の全てを知って欲しいんだ」
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