28人が本棚に入れています
本棚に追加
全てを知って欲しい。
それが受付嬢が言っていた特別な出生に関係するのだろう。
「取り合えず簡潔に言うと、僕の母親は人外で、僕は魔力制御不全症なんだ」
「……は?」
情けない声が出てしまう。
それは内面のルミンもそうであった。
そんなミルンの表情をみたレルトは吹き出し、
「おいおい説明していくよ」
「そう……」
不完全燃焼気味だが本人が言うなら仕方無い。
ミルンは気持ちを切り替える。
歩くこと十分。
協会の社宅に着いた二人は鍵を受け取ると部屋へ直行。
中は狭いが一人暮らしには不便無いワンルームで、キッチンとシャワーとトイレ付き。
小さなテーブルとベッドなど家具もある。
孤児院育ちの彼女の荷物は鞄の中に全て収まっているため、入居準備は直ぐに終わる。
衣服がほとんど無いため初任給で買う算段で、協会からの給料までの特別手当ては食費に消えるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!