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彼女のレルトに対する印象は軍人目指してるとは思えない男の子。
柔和そうな顔や、細い体のラインがその印象をより強くする。
「あの……ミルンさん」
不躾にも、彼の後ろ姿をジロジロ見ていると突然名前を呼ばれたものだから、ミルンは声が裏返らない様に努力して、
「なんでしょうか?」
「いえ、本当にあなたはミルンさんで良いのかなと。自分はあなたと同じ隊になるので書類は読ませて貰っています」
レルトが言いたい事は理解出来た。
だからミルンはルミンに入れ替わる。
「成る程。つまりこう言う事?」
「っ!」
声も体も全く同じの彼女達。
けどレルトは二人が全く違うものに感じた。
僅かにだが声音が違う。
今までの明るい感じが、無愛想さに変化した。
そう告げるとルミンは驚いた顔をした。
「あなたが初めてよ……初対面で違いが見抜けたのは。ルミン・セティアよ、改め宜しく」
そして手を差し出すと、レルトはそれを取り固い握手を交わす。
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