第一章 ミルン・セティア

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その後歩くこと数分。 歪んだ協会本部に着いた二人は、 「それでは、また後で」 レルトが受付前で敬礼して奥に入った事で解散となり、ミルンは書類を受付に出す。 「あらあら、可愛い訓練兵が増えたこと」 受付嬢はそう笑い幾つかの作業をこなし、 「着いてきなさい。色々案内するわ」 カウンターから出てきた。 「お世話になります」 頭を下げるミルンに、受付嬢は優しい笑みを崩さず敬礼の格好をした。 「もうこうした方がいいかも」 ミルンがそれもそうだと、地元の義勇兵達から教えて貰った敬礼をして見せた。 「上手ね。腕の角度とか完璧」 「ありがとうございます」 受付嬢はにっこり笑い、本部の奥へと進む。 「細かい説明はあとでレルト君にしてもらいなさい。私からは重要な場所だけ教えるね」 受付嬢が初めにミルンを連れてきたのは食堂だ。 大きなスペースにびっしりとならんだテーブルと厨房、更には日曜雑貨等の売店もある。 「ここの主、通称女将さん。食事の時にちゃんと挨拶しなさいね。彼女の料理は美味しいと評判だから」 「知ってます。私の地元の義勇兵達がそう言ってました」
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