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受付は女将も人気者ね笑うと、次の場所へ案内する。
「ここら全部訓練所。あなたは恐らくシェチナ大隊が面倒見てくれる筈だから、この辺りしか基本使わないはずよ」
「シェチナ大隊?」
「そうよ。仲間内では子守り部隊とも言われてるわね」
そう言ってから受付は、
「義勇兵の育成プランについて知ってる?」
と、思い出したかのように訊ねた。
「詳しくは知りませんが、一年間訓練部隊で教育を受けると聞きました」
「うん、正解。けど、義勇兵に年齢制限は無い。だからこそセティアちゃんみたいに可愛い子供も入隊出来る。けど、果たして肉体的にも精神的にも未熟なセティアちゃんに大人と同じ訓練が出来るかしら?」
無理だとミルンはすぐに思う。
彼女は軍に憧れ自主トレーニングに励んだ成果か、年齢最高水準の身体能力があるし、大人と接する機会が多かった為敬語等を使えるといった大人びた所もある。
だが、命を張る義勇兵の訓練はそんな物では耐えられない。
「その為に、既存の正規部隊に面倒を見てもらうルールがあるの。レルト君も三歳の頃からシェチナ大隊が面倒みてるわよ」
「さ、三歳!?」
驚きに目を丸くするミルンに受付は笑う。
「彼の生い立ちはセテラじゃ有名よ。後で聞いてみなさい」
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