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ミルンはさっき別れたあの少年を思い出す。
あの人懐っこい笑みを浮かべる彼が、とても三歳から荒っぽい軍人と生活しているとは思えない。
「その、生い立ちをストレートに聞いて良いのでしょうか?」
「気遣いの出来る子ね。その歳なのに良い子。いいわよ、ストレートに聞いて。と言うか、絶対に隠しきれないしね」
受付は笑い言う。
「レルト君の親は、超親バカだからね」
「はぁ……」
なんだか話題の絶えない義勇軍本部だなとミルンは思う。
どの支部にも、話題の人とか有名人とかいるものだが、流石は本部と言ったところか。
「それじゃあ次行ってみよう……と言っても良いけど、丁度適任が来たみたいだからバトンタッチ」
受付がそう言ってハイタッチを強要されたのはイルジルタ人の少女。
前から普通に歩いて来たところの、急なハイタッチをされた彼女は、受付とミルンの顔を見ると、
「了解しました」
と、納得いったのか了承した。
「初めまして、シェチナ大隊で面倒見て貰っているミルトューレです。よろしくお願いします」
イルジルタ人の少女、ミルトューレはそう握手を求めてきた。
「ミルン・セティアです。本日からよろしくお願いします」
ミルンもそれに応じて握手を交わすと、ミルトューレは可愛らしい笑みで歓迎してくれた。
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