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ミルトューレは優しくもありながら、何処か芯の強い印象を受ける少女だ。
「ミルトューレさんも、小さな時から此処に?」
「いえいえ、私は数年前ですよ。何だって私は数年前に帝国から逃げて来ましたらね」
軽い気持ちの質問が予想以上に重く、言葉に困るミルンに、ミルトューレはクスクスと笑う。
「私がこうして話しているのですから、あなたが気にする事は有りませんよ。それと、私の事はミルと呼んで下さいな。みんなそう呼びます……あなたと名前が似ますけど」
同じ子供でありながら、その雰囲気や立ち振舞いは随分と大人びて感じる。
「さて、予定の時間には早いですが……部隊の皆さんと顔合わせと行きましょうか」
「あっ、はい!」
ミルトューレに先導され、無機質な廊下を歩き着いた所は控え室。
そこの部屋の机に、新品の軍服一式が置いてあり、
「着替えたら良いのですか?」
と、聞くとミルトューレは頷いた。
軍服の着方は前の町の兵士に教わっている。
私服を脱ぎ、綺麗に畳むとミルトューレが感心する。
「私にあなたと同い年の妹がいるのですが……脱いだら脱ぎっぱなしで」
以外だった。
ミルトューレがこんなにも丁寧なのだから妹もそうだと思っていたが、どうやら違うようだ。
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