第2章

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あの日、彩が言った言葉が頭から消えない。 ―逃げてる― 「(―教室、怖い怖い怖い。)」 この教室の扉の向こうには私をいじめた子がいる。 でも、入らなきゃ彩にまた何か言われる。 「よし。」 私が扉を開けた瞬間、教室の空気が凍った。 「あれ?あの子学校辞めたんじゃなかったの?」 「えっ!私が聞いたのはヤバい所で働いてるって聞いたよ。」 皆、一斉に私の噂を小声で話だした。 「うっさいなぁ!!黙れ」 「(彩?)」 「ちょっと彩、どうゆうつもり?」 「眠いのに朝から騒ぐからだろ。」 「(彩……)」 「まぁいいや。それより、」 「(きた!!)」 「なんで鈴木さんは来てるのかなぁ?」 「………………」 「うっわ。無視かよぉ。」 「あんたなんかに負けない」 「はいぃ?!!聞こえませ―ん?」 「私は、あんたなんかに!!負けない!!!」 私が叫んだ時、彩が少し笑った。 「無理無理。!!!」 「ハハ。頭大丈夫??」 「あんたには保健室がお似合いだよ。」 「………………」 「ほら、彩も何か言ってやりなよ。」 「ボソ……頭おかしいのどっちだよ………」 「はぁ!あんたコイツかばうわけ?意味分かんない。」 「別に……」 「あんたとはやってらんないわ。」 彼女達は教室から出て行った。 「頑張ったね。」 「彩…………」 「あんたにはさ…幸せになってほしいんだ。」 「でも、彩もいじめられるかもしれないよ。」 「いいよ。こんな事言うキャラじゃないけどね。」 「ありがとう……ありがとう……」 ねぇ彩。私彩といれるだけで“幸せ”かもしれないよ
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