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私と兄は同じ高校――学力は並、いくつかの運動部が都大会で活躍するくらいが取り柄のいたって平凡な水島高校――に通っている。
「あら、美桜(ミオ)ちゃん今日は一人なの?」
「あ、縦縞(タテジマ)さん!おはようございます。はい、今日は一人ですよー」
マンションの一階のエントランスで遭遇したのは、ごみ袋を両手に持って豪快に笑いかけてくれる四十代半ばのおば様、うちの右隣に住む縦縞さんちの奥さん。
私たち兄弟を良く気にかけてくれていて、私も兄も慕っているマンションの住人の一人。
「蓮(レン)くん、どうかしたの?」
「いやあ、ただの寝坊です!」
「あらっ」
兄の蓮がいないことに眉を潜め心配してくれた縦縞さんは、私の苦笑いに「あらまあ!」と豪快に笑ってくれた。
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