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もう何も願わない。
思われなくて良い。
もう疲れた。
裏切られる事に。
「……一緒にすんなよ、そいつ等と一緒にすんな」
「……無理…もう疲れた…」
「………」
少し笑いながら言った。
それ以外に、どんな顔して言えば良いか判らなかった。
「もう嫌だ、誰かを信じるなんて…苦しんだ事しかないのに」
物心ついた時から…友達に対しても警戒を抱いてしまっていた。
裏切られても可笑しくなかったのかもしれない――――――
けど、やはり辛かった。
警戒を解きたくても日々歩むうちに無理になっていった。
すきで、こんな自分になったんじゃない。
悲しい―――…。
自分が嫌い――――……。
「……何も解らない……痛い…悲しい…辛い…っ…」
言ってはいけないと判っていた。
だけど、
込み上げた気持ちは止まらなくて
……只口を手で押さえながらも、言葉は止まらなかったんだ…
言いたくない、
知られたくない、
誰にも。
誰かに弱音を吐くなんて…初めてだった…。
只ずっと、私の中で処理してきた思いだった。
……彼は今、どんな顔をしているのだろう……。
どんな風に思ったのだろうか…
今どんな目で見られているのだろうか…
彼の反応が怖い。
反応処か何も云わないかもしれない…
いや、それは反応というのか?
とにかく恐怖を感じた。
心を開いて良い結果に繋がったことは無いから………。
言わなきゃ良かったと思った。
何度も繰り返しに。
恐怖に襲われた……
なのに、
彼がかえしてきたのは予想外のことだった――――…。
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