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だんだんと浮かんでくる…
黒い髪…
綺麗な印象に移る立ち振舞い…
傍で見ていると目が離せなくなる―――…。
当たり前な仕草や目付き…優しい目がどうしてか………
……………。
あの頃…………。
………あの頃…だけ……。
………今…は…有り得ない。
…………………。
―――頭…痛い…
………やばいかも…
目眩が、し て……。
……………………………。
私はベンチに横たわる様に倒れ掛け始めた…。
木製の板に手をついて、何とか起き上がろうとする。
―――痛い
―――――辛い
頭痛が酷くなり、視界が目まぐるしく廻り…気分が悪くて吐き気がする―――
こんな場所で吐けない…
余計気持ち悪くなりそうな気さえ―――………。
嘘だ。
本当は。
何もかも吐き出してしまいたい。
体調の事だけじゃない
苦し過ぎる思いも全部……。
吐き出したって何とも思わない。
逆にどうして吐き出せないの!? 例え、
後が何れだけ苦しくても。
今の私の体の様に…胸を抉られる様に苦しくても
痛くても―――――…
後悔なんてしないのに。
………何で?
………パシャッ…
静かな空気の中に音が響いてきた……。
――今にも、何も聞こえなくなりそうな
程身体が耐えてくれない。
――――誰?
………此方に来ようとしてるの?
――――パシャッ…パシャッ…
……水が跳ねる音が近付いてくる………。
……………誰なの?
――――どうして…
他人なんて、信用しない……
だって誰も、私を信じはしない。
………皆、裏切った…。
―――そう 心で呟いて…
私は気を失った…。
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