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「……本当に…結羽…なの?」
目の前に居るのは別人の様に大人っぽく、落ち着いた雰囲気を纏った彼だ。
幼い頃とは違うという程度ではない…何というか、こう…
…同級生だとは色々な意味で思えない…
「まぁ数年以来だし無理ないな」
「……変わったね、幼い頃の面影ないよ」
「お前も変わったよ」
“お前”って…そう言われる年なんだな…
ふと、そんな事を思う。
「…変わってないよ」
「随分変わった」
「変わったのに私だって判ったの?」
「変わったって其れくらい判る」
「私は判らなかった」
「仕方ないそれは…逢ってなかったんだから」
「私の事を判ってくれたじゃない」
「忘れた事ないから、逢えなくなってからもずっと」
え…?
彼の言葉に少々驚く。
それってどういう意味…?
「…雨ん中公園居たの?」
「……え…?」
「ベンチ座ってたじゃん?少しの間は居たんじゃないかって」
「………何となく」
素っ気なく返した。
でも言いたくないから。
「何となく?降る前から居たのか?」
「…………」
「……言いたくない?」
「別に理由ないから」
又素っ気なく返す。
「そんな事ないだろ」
「本当」
「…何かあったなら話位聞くけど」
「何もないよ」
少し笑って返した。何かある様に見えるのだろうか…。
「…俺言ったよな、お前が幼い頃と変わったって…」
「うん?」
「外見だけじゃない」
「…………」
「朱深自身も変わった様に見えるんだ」
「……………」
私、自身…?
「昔は、何か自分と闘ってる様に見えた…でも今は…」
「闘ったことなんてないよ」
「……朱深」
「呼ばないで」
愛想つかした様に言う。
だって、
貴方に何が解っているというの。
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