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【新年会準備】
バル・デ・シレンシオーースペイン風居酒屋だが、提供するのは酒ばかりではない。
開店は11時30分から。
ランチタイムは、それなりのランチメニューを出していた。
そこの店主、矢島王理は、ただいま厨房でメニュー決めの真っ最中。
「スペイン風だから、肉は豚肉メインだよなあ。豚バラとレンズ豆の煮込みと、ピンチョ・モルノ（串焼き）と・・・」
そう、神垣邸の新年会用に、差し入れ料理を作ろうとしているのだ。
向こうで用意されているのは、和食がメインだろうと考えて、王理は店にふさわしくスペイン風料理を作ろうと思っていた。
「前菜にマリネかな。タコのマリネと鰯の酢漬けは、すぐに出来るし。ほうれん草とマッシュポテトと挽き肉のミートソースグラタンと・・・パエリアも作るか。」
奥から、ガタガタと大鍋を出してくる王理。
何故か店には、従業員をさせている式神りりがいない。
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