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りりは、店の開店前、昼過ぎの混雑が収まった後、閉店後と、かなり自由に過ごさせている。
りりに攻撃力はほとんどない。
だが、速さと情報を集める「耳」には、卓越したものがあった。
「スープはいらないかなぁ。鍋が出るならねえ。デザートは、女の子の為につくっていこうか。」
王理は、厨房をガサガサ漁って、クレマカタラーナとアーモンドケーキの材料を出した。
クレマカタラーナは、クレームブリュレに似ているが、ブリュレがクリームのみを使っているのに対し、こちらは牛乳も混じっている。
だから、さっぱり感があるのだ。
「ワインはどうしようかな。サングリアくらいは持って行こうか。」
準備するのが楽しいらしく、王理はうきうきしていた。
サングリア用の赤ワインを出し、中に入れるフルーツを手に取る。
「にしても忙しいね。誰か来てくれないかなぁ。サービスしちゃうのに。」
りりはあてにできないので、他の祓い屋あたりで手伝えそうな人物はいないか、王理は手を動かしながら、頭の中でピックアップしていった。
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