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「う~ん、さすがにその姿でお酒を外で飲むのはまずいからね。」
「うるせえ!とっとと結界解きやがれ!」
せっかく盛り上がっていた気分を台無しにされ、紅若の機嫌はすこぶる悪い。
王理は、ため息をついた。
「仕方ない。りり。喜々ちゃんを起こしてあげて。」
「けっ。喜々は今日は疲れて爆睡してんだよ。簡単に起きるかってぇの。」
どうやら紅若は、眠っている喜々の肉体を無断拝借してきているらしい。
喜々の横で、りりは少し考え、それから喜々の耳元で囁いた。
「喜々ちゃん。こんな夜中に食べちゃって、明日は間違いなく太る~。でぶぅ~。」
・・・・・・・・・
「りり、てめえぇぇぇぇぇぇ!!!」
「ごめんなさい!ほんっとにごめんなさい!!」
必死に謝る喜々。
りりの「太る~」に反応し、起きるところは、やはり女の子。
夜中の飲酒と肉のどか食いは、体重に直結だ。
「いやいや、僕は別によかったんだけど、喜々ちゃんの格好でお酒を外で飲むのはまずかったから。」
王理はにこにこしながら、グラスを喜々の前に置いた。
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