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「ふうぅん。狸が出たんだぁ。」
倒れたお雪を助け起こしながら、りりは何故こんなところでお重とともにお雪が倒れているのか事情を聞いた。
お雪は百とともに、花見会場にいく途中。
そして、りりもスイーツやらワインやらを持って王理とともに来たのだが、人混みの中はぐれてしまった。
「妾の行く先を遮り、このような目にあわせるとは、小癪な狸なのでございます。」
ぐしぐしと滲む涙を拭うお雪。
お重は何とか無事だったが、こけてしまったのはショックだ。
「じゃあ、捕まえちゃおっか。」
「・・・は?」
「それって、依頼が回ってきた狸さんでしょ?あのねえ、あのねえ・・・」
そう言ってりりが取り出したのは、王理が作ったスイーツだ。
「これでおびきだすのー。」
「な、な、なりませんっっ!」
これには、お雪が待ったをかけた。
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