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「好きに食べててね。俺とりりだけじゃ食べきれない量だから。」
そう言いながら、王理はりりが持ってきた容器の中からいくつか調理器具を取り出すと、カチャカチャと音を立てて調理を始めた。
「ここで・・・お料理?」
「作りたての方が、せっかくのお水も生きるからね。りりに頼んで、ドライアイスも多めに持ってきてもらったし。ほら、まずはもらった水を使ったジュレ。桜茶用の桜の塩漬けを少しだけ風味に加えた、水のジュレだよ。」
王理が、透明なゼリーを二人に差し出した。
まさに、出来立てである。
それを口に含んだ 楪の目が、またまた丸くなる。
「桜の・・・味・・・」
「うーん・・・どっちかってえと、桜餅風か?」
「ははは、当たり。ちょっと和風になっちゃったね。でも、水が美味しいから、余計なものをあまり入れないでみたんだよ。」
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