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「まあ、狸は出てきたら捕まえられるだろうから、気にしないで食べていよう。」
「捕まえ・・・られるの?」
楪が、首を傾げた。
「そうなのー。主様は結界張るのだけは上手なのー。」
「だけはって・・・そりゃあ、本当だけど。」
りりに悪気はないのだが、自分の式神にへっぽこだのそれだけだの言われるのは、どうも切ない。
「ああ、狸の野郎が出てきたら、結界に閉じこめちまうんだな。」
京が、王理の言うことを察してくれた。
「そういうこと。でも、来なかったら捕まえられないんだけどね。でも、みんな優秀な祓い屋ばかりだから、大丈夫だよ。だから、気にせずに、花見を楽しもうか。」
楪は依頼をしなくていいのか困った風だったが、すでに京都とりりは
「かんぱーい!!」
と、何度目かのコップを合わせてはアルコールを流し込んでいる。
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