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花見会場から離れ、一時手の中に捕らえた狸も放してしまった昴と雪。
どことなく歩いていると、広場に出た。
普段はあまり通らない場所。
どことなく洋風な造りの建物が多い。
「この雰囲気は好まない。帰るぞ、昴。」
肩に乗せている雪に促される昴。
しかし、彼の足は、思ったように自宅に向かうことができなかった。
「きゃー!」
振り向いた途端、後ろから来た女性にぶつかる。
金髪の女性が、荷物をぶちまけてひっくり返った。
「すみません。不注意でした。」
急いで荷物を拾い集める昴。
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