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店のドアの鍵を開けて、王理が先に入る。
りりに引っ張られる形で中に入ろうとした昴は、突然見えない力で弾かれ、数歩後ずさった。
「!」
「昴!おのれ!」
「あ、ごめんごめん。普段は敵さんとか変なものを入れないように結界を張っているものだから・・・はい、これで入れるよ。」
特別、何かをした気配はなかった。
だが、おそるおそる昴が踏み出すと、今度は何事もなく店内に入ることができた。
「適当に座っててね。今、アイスティーでも出すから。」
カウンターの向こう側に回った王理が、カチャカチャと音を立てて準備する。
そして、りりはと言うと。
「えーと・・・お名前は?」
にこにこしながら雪に名前を聞いている。
警戒心がないのか、自分のテリトリーなので安心しているのかわからない。
・・・主に前者だ。
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