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自分のことを「へっぽこ」と言う王理に、昴は首を傾げた。
先ほどの結界は、かなり強力だった。
「うん。結界だけしか能がない。だから、一人では低級な霊すらなかなか祓えないんだよ。で、作った式はこんな子だし。」
「えへへー。」
外見はいいのだ、外見は。
しかし、このりりがどう役に立つのか、昴には想像もできなかった。
確かに、自分の雪とは違う。
「でね、僕がもう一つ得意にしているのはね、情報戦。」
「情報・・・」
「そう。そのために店を開いているようなもんだから。」
王理の、眼鏡の奥の目が初めて怖く光った気がして、昴の体に力が入った。
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