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「ああ、大丈夫。君たちをどうこうする気はないし、できないから。」
そんな目の光を一瞬で消して、王理は手を振った。
「まあ、情報収集しやすいよね。飲食店やってると、いろいろな客が来てはいろいろな話をしていく。聞き耳を立てていれば、結構なこともわかるんだよ。でね、一応僕は神垣家側にいるんだけど、自分としてはかなり中立に近い神垣家側なんだよ。」
「・・・それで、私のことも知っていたんですか。」
「うん。情報としてね。肩に鳥の式を乗せた白髪の少年の名と・・・ちょっとした出自くらいは。」
「!」
今度こそ昴は手のフォークを置いて立ち上がった。
「私の出自を調べた!?」
「調べてないよ。入ってくる情報は、敵のものもあれば味方のものもある。デマもあれば真実もある。そこらへんは、自分で確認するけどね。怒らせちゃった?ごめんね?」
昴は、近くの紙ナプキンで、口元を拭いた。
「ごちそうさまでした。」
半分近く残っていたが、どうにも食べる気になれない。
ここにいたら、何か知られてしまいそうだ。
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