523人が本棚に入れています
本棚に追加
/328ページ
爺ちゃんは蝿なんて見えないのに蝿叩きを時折叩き付け、婆ちゃんは聞き取れない呪文?を唱え始め、武叔父さんは蝿でも払うように手を動かした。
恒例の『朝のポルターガイスト』だ。
剣の方を見ると、毎朝の事だというのに顔面蒼白を通り越しもはや土気色になりカチカチと歯を鳴らしている。
それを満足そうに見守る『外道シスターズ』姉:渚と妹の風もニコニコだ、風はスポーティーな印象の渚と違いゆるふあのウエーブのかかった髪をボブカットにして小1にしては落ち着いた印象の将来楽しみな美人さんだ。
「剣おにいちゃん」
風の小さな手が、怯える剣の背中を撫でる。
ザクッ!
「……!!!?」
突如、風は持っていた箸を剣の米に突き刺した。
「…今ね…剣おにいちゃんの背中から通り抜けてご飯のとこに居るの…一昨日死んだ裏のおじいちゃん…」
剣は凍りついた。
「にぃ…にぃ、ちゃ…うぁわぁぁあああああ!!!!!」
叫び声を上げ、朝食も取らずに剣はその場から逃げ去さった。
「ふふ…剣おにいちゃんね、ついに昼も一人でトイレ行けなくなったんだって…」
姉妹は恍惚の笑みを浮かべている。
お前ら俺の弟をどうしたいんだ!?
最初のコメントを投稿しよう!