0人が本棚に入れています
本棚に追加
「メリー観覧車へようこそ」
と、くまが喋った。くまの横にはウサギがいる。
2人はその場の流れで観覧車に乗ることになった。
すると、くまが涼太の耳元で喋った。
「楽しめよ。」
くまが離れるとドアがしまった。観覧車はゆっくりと上へと上がってゆく。
2人はまた沈黙の時間が続いた。繋いでいた手も離れ、向かい合って座っていた。そしてお互いが話すタイミングを伺っていた。
「あのね、私。」
と最初に口を開いたのはゆりの方だった。
「何?」
涼太はそっと聞いた。
「私、北海道にいくんだ。」
突然のことだった。学校も何もかも知らないバイト仲間の2人が会える場所がこの遊園地だった。
「いつ?」
「明日の朝、飛行機に乗って。」
「そうなんだ。」
と、涼太自信の中で驚きを隠せずにいた。
「黙っていてごめんね。トナカイさん」
「うんうん。ミニスカサンタさん。来年も帰って来てね。そしてまた…」
と涼太が続けようとしたときだった。
最初のコメントを投稿しよう!