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そんな海斗君には、俺よりも心を許せる子がいるらしく、名前は芦谷涼介君って言ったかな?
普段あまり関わらないから分からないけど、海斗君と話してる時って、なんか楽しそうで。
話してる海斗君も楽しそうで。
いいよね~
あの子は。
俺にも普通に接してほしいけど…。
無理かな~。
どうすれば、普通に接してくれるんだろう?
「裕次郎。」
「え、あっ…はい!!」
びっくりしたー。
色々と考えてたら周り見えてなかった。
「聞いてたか?」
俺の目の前には俺の悩みの種である海斗君。
何話してたんだっけ?
「…えっと…。」
海斗君は大きな溜め息をして
俺を睨む。
「だから、この前数学分からないって言ってたから教えてやるって言ってんの!」
こういう優しいところもあるから、俺は海斗君を突き放す事が出来ないんだよね。
「マジ!?ありがとう!いつ?」
「それはお前の都合に合わせる。」
やっぱり優しいなぁ。
でも、きっとまた何か企んでくるんだろうなぁ。
教えてやったから何か奢れよ
…だったらいいけど…。
教えてやったから何か面白い話しろよ。
面白くなかったら×ゲームな!
って言われるんだろうなきっと。
その×ゲームも恐ろしいもので、気になる子に電話しろ…ならまだいい方だけど、酷かったら窓から指差してあのおばさんナンパして来いとか。
あぁああ!!
怖い!
怖いよ俺は!
「いつにするんだよ。」
海斗君の言葉で我に帰った。
「じゃあ…今日で…。」
嫌だけど、明日実施される1学期最後の確認テスト、出来なかったら夏休み中ずっと補習だしなぁ。
仕方なく海斗君に教えてもらおう。
「ん。じゃあ、お前ん家行くから。」
「分かった。」
会話終了と共に授業開始のチャイムが鳴った。
授業なんて頭に入って来ず
放課後が恐ろしい。
と言う恐怖心で頭がいっぱいだった。
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