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自分に言い聞かせて、決心を固めていたら、チームみんなの笑顔が頭に浮かんだ。
しまった。
みんなに行くと言ってある。
しかも、絶対に行くと。
絶対に決心した、ともみんなの前で宣言してしまっている。
アリカは頭を抱えた。
その中で、アリカは瞳孔を開く。
いや、あれは場所の流れというものがあった。
私がそう言わないと、いけないような流れになっていた。
そうだ。
あれはみんなから言わされたんだ。
私の意思じゃない。
断ろう。
そう思った矢先、次は頭の中で、チーム内の仲間が一人一人、笑顔で自分を見つめている姿が出てきた。
一人目から、
銃を扱うのに飛びぬけているマスパ。
勇気があり、体力がいつもありあまっている力持ちのヨウヒ。
ナイフの扱いだけではなく、応急手当の処置能力にも優れている二ミ。
お調子乗りなところもあるが、技術力は高くいつも頼りになるワンダ……
そこで、脳内のワンダが、ニヤニヤと笑いながら、アリカに囁いた。
『リーダー、知ってます? クリスマスという日に、その時にあるパーティーのイベントで、プレゼント交換というものがあるのですが、そのときに、好きな人にプレゼントを渡すと、自分のことを好きになってもらえるらしいですよ』
「そうだ、こいつが一昨日の晩、夕食時にそんなことを言わなければ、私はいつも通りに、「行かない」と言っていたはずだ!!」
それに、クリスマスパーティーとやらに誘われたのも、昨日の朝だ。
アリカは仕組まれていたんじゃないかと首をひねる。
そう、一昨日、アリカはチームのみんなに誘われ、夕食を食べに行ったのだ。
その終盤で、ぐでんぐでんに酔っぱらっていたアリカの耳元に移動し、ワンダはそう囁き続けたのだ。
アリカにクリスマスパーティーに来てもらうために。
そんなことは露ほども知らないアリカの脳内で、ニヤニヤと笑うワンダが再びしゃべった。
『プレゼントを渡すときには、その人に感謝を綴った手紙を、セットにして渡すと、さらに効果が上がるらしいですよ』
アリカは思い出した。
そして叫ぶ。
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