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アリカの口から、あうあうと、言葉にならない声が飛び出た。
それでさらに恥ずかしくなり、アリカの顔がいっそう火照る。
逆立ちをしているわけでもないのに血が集まってきている感じのする頭で、アリカはあることも思い出していた。
セリッヒもパーティーに行くと言っていたのだ。
「べ、べべべ、別に、わっ私には、全然関係ありませせんけどっっ!!」
自分に言い聞かしているだけなのに、アリカは噛み噛みだった。
その現実にアリカは体を抱えて悶絶する。
ぴょんぴょんとウサギのように飛び跳ねる。
「わ、私がおかしいのは、この太陽が眩しいからだっ! 徹夜した私の頭に、この光はきつすぎるっ!!」
アリカはあまりの恥ずかしさに、自分の照れを日光の明るさのせいにした。
アリカは窓の外の太陽を睨んだ。
太陽は、明るく、眩しい。
アリカは目を細め、太陽から目をそらした。
太陽の見すぎでボヤッとした視界の中、カーテンを閉めようと、窓に近寄る。
窓の横のカーテンに手をかけて、アリカは窓の外を見た。
そこで息を飲んだ。
カーテンにかけていた手を止め、窓枠に乗り出す。
そこには、雪だるまがあった。
昨日アリカが作った、雪だるまだ。
実は昨日、昼ごろ、セリッヒがこっそり、アリカの家にやってきていた。
アリカはそのとき、片手逆立ち腕立て伏せをしていた。
一日中筋力トレーニングを行おうとしていたのだ。
そんなアリカの姿を見て、セリッヒは、たまには息抜きしようと誘った。
アリカは反対した。
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