116人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
「まぁ、その9号があるからここにいながら情報収集できるわけなんだ」
「そうなんだ……凄いね…………」
「…………」
ここで向き合った俺と灯が沈黙。
そして、星が口を開く。
「……宇宙、気付いてる?」
「……ああ」
星の言おうとしていることは判る。
俺だって途中から気づいてはいたのだ。
話の内容が思いっ切り違うものになっていることに。
確か、俺は『大清掃』について説明していたハズだ。
それなのに何故、星の天才さについて語っていたんだろうか。
脇道に逸れすぎた。
すると、黙ったまま動かない俺に痺れを切らしたのか、星が聞いてきた。
「……僕が引き継いでいいかな?」
「……おう」
星は気を取り直して、灯に向き直る。
「それじゃあ、そろそろ『大清掃』についてを詳しく説明しようか」
「あ、うん…。そういえば全然違う話になってたね」
無意識に言ったことなのだろうが、俺の心にはその言葉がグサっと音を立てて刺さった。
最初のコメントを投稿しよう!