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俺と星は一瞬、戸惑ってしまった。
てっきり、灯は遠慮して、俺達に迷惑の掛からない別の選択をするのかと思ったからだ。
しかし違った。
灯はの口からは「俺達と一緒にいさせて欲しい」といった内容の言葉が出た。
不意に安堵からか、俺の口から言葉が漏れる。
「ったく……驚かせんなよ」
すると、星もそれに同意する。
「そうだね。僕もどう説得しようかと焦ったよ」
「ごめんなさい……」
二人に言われて縮こまる灯。
「いや、気にしなくて良いよ。それにそうと決まったらすぐに出かけないとね」
「どこにだ?」
「灯ちゃんの家にだよ。『大清掃』は今晩だけで終わるとは限らないからね。色々取りに行かないといけないだろう?」
そういえばそうだ。今、灯が持っているのは服くらいしかない。
だが、
「また、外に出るのか……」
正直、先程の逃亡で疲れている。
もしまた、アンカーの奴に見つかったら逃げ切れる自信はない。
せめて、もう少し休息が欲しい所だ。
ガックリしている俺に、星は呑気に告げた。
「大丈夫。そろそろ9号の充電が終わった頃だから」
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