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ドスン!という鈍い音と、男の「イテッ!」という声が聞こえたのと同時に、私は意識を覚醒させた。
「こら変態、何また勝手に家に侵入してんのよ」
ベッドから蹴り落とされ、腰を擦っている男を見下ろして言った。男はヘラヘラとし、まるで気にしていない。
「なかなか紗夜が起きないから、さ。……我慢できなくなって」
「うるさい、変態」
頬と頬とが触れそうなくらいにこの変態男が顔を近付けてきたため、グイッと突き放してやった。
まだ完全に目覚めきってない脳を叩き起こすため、私は部屋のカーテンを思いっきり開けた。
「はいはい、着替えるからさっさと部屋出てよ。“センセ”」
こうして今日も、私ーーー大塚紗夜の一日が始まる。
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