血は水よりも濃い

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「フラれて頭おかしくなっちまったのか!?」 「……ひどいな、大丈夫だよ」  だって、やっぱり思い出せないのだ。いつから、私は春兄が好きだったのか。 「アイツに何て言われたんだよ」 「妹みたいに好きって」 「……アイツ……」  チッと、里都子が舌打ちをした。 「私の向ける気持ちが恋じゃないって、気付いてたみたい」 「……嘘だ」 「嘘じゃない」 「嘘だろ! お前、アイツのこと好きだったろ!?」  そうだったはず……だ。――そう、もう過去形だった。私も、気付いてしまった。 「思い出せないの。春兄のこと、いつから好きだったのか」  気付いたら好きだった。そう、自然に。それが当然かのように。 「いつとか関係ねぇだろ」 「あるよ、だって……」 ――言ったわよね、「兄として接するなら、一緒にいても構わない」と。  どうして忘れていたのだろう……あの、冷たい目。私を蔑むような、あの目。あれは、誰だっただろうか。 「春なんて、呼んでなかったもん」  里都子の目が見開かれる。何かを、思い出したかのように。 「……ただの呼び方だろ」 「そうかも。でも……」  上手く言えない。言えないけど、きっと関係ある。今日感じていた違和感も、きっと―― 「……いいのか? これで」  里都子は優しい。いつでも私を心配してくれる。 「……うん」  今、私はちゃんと笑えているだろうか……――

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