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「謹んでその断罪を受け入れます、殿下。…それでは、私との婚約もなかったことになると考えてよろしいでしょうか?」
「当たり前だ!なんと図々しい…っ!」
「では、そのように。」
恭しく頭を下げながら確認すると返って来たのは勝ち誇ったような声だった。
(あー…、ほんっとこの第二王子ってチョロくて馬鹿であほなんだなぁ…)
それと同じくらい、ヒロインたる義妹も頭が足りていない。…いやまだマシか?
完全逆ハーレムエンドでも目指さない限りお目にかかれない全攻略対象の顔ぶれが彼らの後ろに控えているのだから。
このスチルも、俺が担当したなぁ…懐かしい。
ある種の感動を覚えながら、背筋を伸ばしニッコリと微笑む。
「婚約破棄の言質も、ありがたく頂戴いたしますわ、殿下。」
目上の者に相対したとき、決して開いてはいけない扇をパッと開き口元を隠しながら大声で叫ぶ。
「警備隊っ!断罪という名の私刑を行った罪人を取り押さえよっ!!」
控えていた警備隊が一気になだれ込む。
本来ならば王族であるロベルトを護衛する騎士たちも動かないほど明確な罪を彼らは犯した。
「なっ!?やめろっ!俺をだれだとおもっているっ!?」
「いやぁーっ!ロベルト様ぁっ!!」
私を、セレスティアを陥れようとした二人が目の前で組み敷かれ縄を掛けられる様は滑稽だった。
戸惑い騒めく次点攻略者の面々も、いまは縛られなくとも呼び出し連行は免れまい。
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