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抵抗し叫びながら床に押さえつけられている姿を見降ろしていると、ため息が漏れる。
そもそも、王族に次ぐ高位のアプリストン公爵爵家の唯一の後継者である私と婚約した時点で、ロベルト殿下は自分の立ち位置を理解していなかったのかが甚だ疑問だ。
「私」と婚約したというのは王位継承権から外されたのと同じなのに。
(だからこそ私を嫌って避けていたと思っていたのだけれど…妹を愛したのだからなのね。)
王族も貴族もその家門に流れる血統を重んじるものだ。
まがりなりにも王子ならば王族教育も貴族の成り立ちも意味も、ひいては血統の重要性など…常識として備わっているものでしょうに。
国家とはピラミッド状に成り立っている。
多くあるのは平民。その中での上が村長や町長や市長であり、商人もどれだけ財産を築こうとも平民。その平民の住む領地を治めるのが貴族だ。貴族も貴族で公爵侯爵伯爵子爵男爵の五等爵位に階級があり公爵は基本的に王族の血統の分家であり大まかにいえば王族でもある。だから任される領地も大きければその領民も王族への信頼からたとえ平民でも誇り高い。
そんな公爵家との婚姻は権力基盤の目的もあれば、逆に王族にとっての下賜であり、一人娘が相手ならば婿入りが明言されているようなもの。
婿入りして姓が変わるということは王位継承順位は大いに下がる。ややもすれば排籍でしかない。
実際、ロベルト殿下は私のはとこに当たる。
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