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あたし、西島奏はホテルのコンシェルジュをしている。
今向かっている先はその、ホテル。
25歳のあたしにはクリスマスを一緒に過ごす彼氏もいないため、今日も仕事だ。
この日は沢山の人がクリスマスで休んでいるため、結構給料が高くなっている。早く行けば、その分お金は追加される。
「早くしなくちゃ。」
少し早歩きをしようと、思った時だった。小さな溝にヒールがズボっと入り、体の重心が揺れる。
「ぎゃあ!」
ズテン。可愛くない声をあげながら、あたしはそのまま大胆に転んでしまった。
はっ恥ずかしい。こんな通りのど真ん中で、堂々とこけるなんて、、、
周りの視線が痛い。クスクスと笑う声を聞こえる。
でも―
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