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「もう。いやんなっちゃう。」
その後、その場所からずっと走っていって、
今はホテルのコンシェルジュ達の休憩所。
ここで専用の制服に着替える。
「こけるとか。マジうけるんだけど。」
腕に袖を通しながら、隣で必死に笑いをかみ殺しているのは親友であり、同僚である田崎加奈子。
さっきから、あたしはこの方に、愚痴を聞いてもらっている。
「んでもさ、その男の人の顔見なかったの?優しい人じゃん。」
「見てない。振り向いたの一瞬だったもん。」
そんな言葉に思わず、は~とため息をつく加奈子。
「そういう出会いから、恋が始まるかもしれないじゃん。アンタもそろそろ恋した方が良いって。このままじゃ独身だよ!孤独死だよ!」
「そうなの?」
全く恋愛経験の無いあたしにはいまいち分からない。
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