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教室に入ると、もうクラスのみんなは友達をたくさん作ってる。
出遅れたかな…
黒板に貼ってある座席表を見ると、席は一番後ろだった。
後ろでよかった…目立たないし。
席に座ると、前に座っていた女の子が振り返った。
「はじめまして。美咲だよ。よろしく。」
こんなの言われるの初めてで、ちょっと戸惑ってしまった…
「あっ、よろしくっ。さくらです。」
美咲「あたし、引っ越してきて、友達いないんだよね…友達になってもらってもいい?」
「もちろん!私も嬉しい♪」
美咲「さくらって呼ぶね。美咲って呼んで?」
「うんっ。」
「席座れー。」
男の先生が教室に入ってきた。
きっと担任の先生だな。
「おい、そこ!席につけ。」
私の隣に座ったのは、かなりのイケメンさんだった。
女子がみんなその人のこと見てる。
「入学おめでとう。担任の中村だ。えー…高校生活気を引き締めて頑張れ。」
先生の話が終わると、また周りがざわつく。
イケメンさんの前の席の女の子が、イケメンさんにメールアドレスを聞いている。
教えないんだー意外。
彼女なんてたくさんいるぜって感じかと思った。
「静かにー。えー…このプリント記入して、集めといて。今職員室に呼ばれたから。」
「あのさ…」
え!?
もしかして…私!?
「はっ、はい!?」
「ボールペン貸してもらえる?」
「ボールペン…えーっと、どうぞ。」
「ありがと。」
うわぁ…笑った。
カッコいいなぁ…こんな人今まで見たことない。
「あのさ…」
「はいっ!?」
「出ないんだけど…これ。」
嘘ー…
恥ずかしい///
「ごめんっ。これなら出ると思う。」
「ごめんね。初日から筆箱忘れて…」
この人と話してたら、ドキドキする。
「ありがと。助かった。」
「…///」
私、ウブなんだ…
返されるとき、手が触れただけで顔が真っ赤になる。
美咲「ねぇねぇ…さくらの隣の人、超カッコいいね。」
コソコソ話してるけど、きっとバレてるよぉ…
ただ笑っておいた。
「イチー。帰ろうぜー」
「おう。」
イケメンさんはイチさんなんだ。
なんて名前なんだろ…
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