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≪第1章 修羅場≫
―――≫ドールア国 ニーディアにあるホテルの一室
なんでこうなるかなぁ……。
――ポリポリと頭をかく。
巨乳ちゃんの胸の谷間に揺られながら、愛の言葉を語り合う予定だったんだけどなぁ。
俺は、さっきまでラブシーン真っ最中だった為 全裸だ。
狭い部屋の中、俺の周りに群がる街のごろつき共。
――全部で5人か。
一気にむさ苦しくなった部屋の中。
ガタイの良い体型と、グラサン、スキンヘッド。
――体臭のきつさに加えて、安物、小物、そんな匂いも漂う。
「さっさと金を置いて、どっかに消えな」
常套句もここまで来ると笑える。
「やだね。 多人数プレイは趣味じゃぁない。 お帰りはあちらですよ」
俺は扉口を指さしながら、なるべく優しく言った。
―――ドガッ―――
俺の鳩尾辺りに入った、一人の蹴り。
部屋の壁まで吹き飛ばされた……ふりをした。
壁にぶつかった音が部屋に響く。
俺は、テーブルの上にあった鉛筆とメモ帳をとって言い放った。
「俺の手に持った『勇者の剣』と『王者の盾』が火を噴くぜ」
――どっと笑い声がこだまする。
最後に大声で笑えてよかったな。
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