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『世界の危機が訪れようとしています…』
『今…貴方の力が必要なのです…』
『私と一緒に、それを阻止するのが貴方の運命…』
『私と一緒に魔王を倒す旅へ…』
『勇者、召喚!』
その少女の呼びかけに、薄暗い部屋の床に刻まれた魔法陣が発光する。
「……」
「………」
「………………あれ?
召喚魔法は成功しているように見えますが…
じぃ?失敗でしょうか?」
「ふむ、失敗ですな。
召喚位置の術式に間違いが見られます…」
「………じぃ、何故教えてくれなかったんです?」
「フローラ様、まさかそんな初歩的な術式を間違えるとは思いませんでしたので、まさかそんな初歩的な術式を間違えるとは思いませんでしたので!」
「にっ、二回も言わなくて良いです!
…では、勇者様はどちらへ…」
「わかりませぬが…
ちゃんと地上に居れば死ぬことは有りますまい、ただ…」
「ただ?」
「とんでもない上空とか、地中とか、海の中とかなら…
死にますな!確実に!」
「おっ、お止めなさい、怖いことを言うのは」
「そうは言われましても事実です」
「…………」
「…………」
「…………………召喚位置の術式をやり直します。
じぃ、間違えないように見ていて下さい」
「うひょ!人一人殺した可能性があると言うのに、無責任にもまだ召喚魔法を使いますか!?」
「うっ、うるせーです!
世界が滅亡の危機に瀕しているのです!
亡くなったその方には運が無かったと諦めていただくしか…」
「まだ死んだと決まってませんがね」
「うるせーですっての!
やり直しますよ!」
「仕方ありませぬな…」
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