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~昭和二十年四月五日柱島泊地~彼女はこの日も変わらず黙々と刀を研いでいた。「大和…」彼女の名前を呼んだのは伊勢であった。「どうしました?」大和はいつもの笑顔で振り返った。「あ…いや…」伊勢は完全に調子を崩され、うろたえた。
「一億総特攻の魁…そんな精神論でなぜいくと決めたのか?と言いたいのですか?」「…」「私が行くことで敵に恐怖を与え、みんなの士気が高まるのならと思ったからですよ。」大和は淡々と話す。「怖くは無いのか?」「無いですね。軍人ですし、戦死は本願です。」
「私だって軍人よ。一緒に行って敵に損害を与えて散りたい。私だけじゃない…日向も榛名先輩も葛城も海軍全員が思ってることよ!」いつしか周りにいた彼女等も頷く。「大和。私も行くわ…」「私だって行く。」日向は言う。「姉さんたちの敵討ちよ!」榛名も言う。
「行けません。そもそも皆さんの燃料が…」「片道あれば十分よ!」「そんなの許されません!皆さんは呉防衛の命令があります。」「それがなによ!!」伊勢は叫んだ。涙が浮かんでいた。
「もう日本は負けるわ。敵が来て、素っ裸にされて解体される。それよりみんなで十死零生の作戦だろうと戦って散りたいのよ。」「お願い大和…私たちを晒し者にしないで…」日向も泣きながら言う。「…横須賀に電話を…」大和は相談したかった人に電話した。
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