散る者、残る者

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「話は聞いてるわ。」電話口に冷静な声が聞こえる。大和は一人で話したかったが部屋には伊勢、日向、榛名達が来ていた。「長門さん…みんなに言って下さい。無駄死にはよしてと。」電話の相手は横須賀いる戦艦長門だ。「本音は?」長門は変わらぬ口調で言った 大和は固まった。「あなた、本当はみんなと散りたいんでしょ?でも、命令はあなたと雪風達だけ。」「…」「これはあなたには酷な話だけど…言っておくわ。」「聯合艦隊はあなたの存在を目障りとしてる。」「長門!あなたなんてことを!?」伊勢が割り込む。 「事実です。大和を使わねば海軍のメンツが潰れるし、陛下がもう使える艦は無いのかと嘆いておられるそうです。」「そんな…」場が静まる。しばらくして、「長門。あなたは何もしなかったわけ?」榛名が尋ねる。「どういう意味です?」長門は変わらぬ口調で答える。 「あなたは横須賀でただ指をくわえてただけ?なんで後輩の無駄死にをそんな無反応でいれてるわけ?」いくら象徴でも今はただのボロ船の彼女に何も出来ないのは分かりきったことだがやり場のない怒りをぶつけずにはいられなかったのだ。電話口から小さな声が漏れた
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