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彼に連れて行かれたのはお洒落で高級そうなレストラン。 ――なんか巻き込まれてませんかアタシ……。 「取りあえず出された物を食べろ」 彼はウェイターを呼び付け、勝手に料理をオーダーするとワインを飲み始めた。 なんだか怖くて言う事を聞かざるを得ない状況。余りの緊張に味がよく分からなくなった。 「お前、名前は?」 「……美空、河西美空(かさいみそら)です」 「ふーん」 聞いてきたのは彼なのに、興味がなさそうに黙ってワインを飲む。暫くしてデザートが出た頃、彼に声を掛けてくる女性が居た。 「あら、此方のお嬢さんはどなた?まさか私の約束をすっぽかして此方の方を優先なさったの?」 鋭くアタシを睨み付けながら彼に聞く女性。 「さぁ、貴女と約束した記憶はありませんが、何かの間違いでは?」 女性の顔が一気に赤くなり、側にあったワイングラスを持つと彼に向けて浴びせかけた。 「?!」 アタシは驚きの余り、手にしたデザートスプーンを落としてしまった。
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