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稀な彼の懐に置かれる程気に入られたのは有り難いが、タイミングが悪かった。 何を考えてるか分からない相手に何を言ったら良いのか、早くいつもの彼に戻ることを祈るしかない。 でも、この貴重な出来事も悪くない。暫く観察していよう。 稀な彼は朝陽が昇ると目覚める。傍らに寝かされた私は、稀な彼の動きに耳を傾ける。 そうして隙を見て逃げ出す方法を考えなくてはならないから。いつもの彼はいつ目覚めるのかしら? 今日も稀な彼は朝食を食べる。自炊なんてしなさそうなのに、几帳面だわ。
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