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そもそも"出来る男"が基なのだから当たり前でもある。 ただ、人嫌いに思われる程の鬼畜な"稀な彼"が起こす悪戯は人的被害が凄まじい。 「お前、朝食を食べるか?あぁその手では無理だったな。 では、食べさせてやることにしようか」 薄ら笑いを浮かべ、さも今知ったかの様にわざと嘲笑う。 (良かった、まだ鬼畜じゃない) 実は今回の監禁は初めてではない。最初はいきなりの豹変に驚いて、泣いて解放を懇願した。 でも今は馴れてしまった。 ――"稀な彼"も捨てたもんじゃない。 アタシも変わり者を愛したものだ。 「今夜は遅いぞ。分かってるだろうが、逃げようと思わなければ室内は自由だ。好きにしろ」 "稀な彼"の中で何が変わったのか、手錠の鍵を外してくれた。大人しくしているのが無難。 あの時を思い出す……。 ――――――――――――――
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