後悔なんかしたくない

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 早矢パニックの熱気も冷めかけた放課後。未だショック状態のあたしは性懲りもなく教室にいる。腑抜けた惚け、魂の抜け殻のようになって頬杖をついて窓から外をぼんやりと眺めている。心の大切な部分がごっそりと抉られたような、そんな喪失感。  早矢を遠くから見ていればそれで満足だった。言葉を交わせなくても、その笑顔を見てその姿を見てあんまり巧くない黒板の字を見て、一緒の空間にいて同じ空気を吸っている。そんな些細なことで充分満足だったのに。それなのに。  明日からはそれもできなくなっちゃうなんて。
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