序章

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レオ王国城下ーーーーー ある日の昼下がり、少女は町に来ていた。 何をするわけでもなく、ただ町の人々を眺めるだけの、変わった少女。 (あ…知ってる…) 少女は買い物をする老女を見つけた。 (りんごを2つ買って落としちゃうんだよね、それからーーーー) そして老女はりんごを落とし、そのりんごは少女の足元にコロコロと転がってきた。 (私が拾ってあげるんだ) 「あらあら、ごめんなさいね。ありがとう」 「いえ…」 そして少女は妖しげな笑みを浮かべ、りんごを手渡しながら 「アップルパイを作るときには火事にならないよう、火には気を付けてくださいね」 そう、忠告したそうだ。 そして数日後、その老女は火事で亡くなったのだった。 アップルパイを作る最中、かまどの火が回りに引火し、その火が大きくなり逃げ遅れたと言う。
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