一章

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「何を止めるの?」 「!?」 不意に聞こえた声。 (誰もいないと思ってたのに…) 少女の後ろにいたのは3人。 男が2人と女が1人。 いずれもこの森には似合わない身なりだった。 (でも知ってる。この人今日視た) 「お嬢さん一人?危ないよこんな森の中。俺らと来るか?」 優しそうな笑みを浮かべて尋ねてきたのは、真ん中にいる男。 「いえ、結構です。用事も済みました」 「でも…危ないよ?」 「危ないのはあなた達です」 思いもよらない言葉に驚く3人を他所に、少女は話を続けた。 「もし、盗賊に会いたくなければ、ここから先にあるネメアの谷には近づかないでくださいね」 そして少女は踵を返し、元来た道を振り返らずに戻ったのだった。
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