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「振られたな、カイン」
「…うるさいぞ」
「カイン」と呼ばれた真ん中の男は不服そうにもう一人の男を見た。
「 あの子じゃないですか?」
「え?」
ため息混じりで先程から黙っていた女がおもむろに口を開いた。
「例の少女、本物ならこの先のネメアの谷に盗賊がいるはずです」
「そうか…なるほどな」
そしてカインはニヤリと妖しく笑うと、二人に向き直り
「空木(ウツギ)、キリノハ!ネメアの谷に行くぞ!!」
と、言ったのだった。
カインの腰にさしている刀を2・3センチ抜き、その刀身は太陽の光に反射し、キラキラと輝いていた。
まるでこれからの未来を表すかのように。
ーーーーああ、また面倒ごとに巻き込まれた
そう、ため息をついている二人を知らずに、カインはネメアの谷に足を運び始めた。
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