手造り01

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さて、最後だ。 「さて、妹である君だが…  カリンの名を与える。  何故か、妹と考えると、この名になるんだよ。  漢字で花梨。  バラ科の植物の名なのだが…  もしかして、俺の妹の名なのか?  分からん。  だが、この名をどうしても送りたい。  受けて貰えるだろうか?」 すると、泣き始めた。 「ちょっ!  そんなにイヤだったかっ!」 俺はオロオロしてしまう。 「違うの。  お兄様。  カリン、カリンは嬉しいの。  そんな大事な名を貰えたのだから…  嬉しくって」 「そ、そうか…」 安心して、腰が抜けそうになっちまった。 さて、いよいよ俺だな。 どうするか… 良し、決めた。 「俺は、今日から、ヴァイドゥンと名乗ることとする。  先導者から得た名だ。  皆を、この地を導く者としての自覚を持つためにな。  さて、この世界には時計と言うものがない。  なので、食事も休憩もなしで行ってきたが…  少々腹が減ったな。  姉さん。  食事の支度を頼めるかな。  食材は冷蔵庫の中にあるから」 そう告げてから、俺は皆の個室の作製に取り掛かった。 無論、俺の部屋もだ。 念のために、残日数を確認し、今日がまだ2日目だと分かった。 と、言っても、もう数分で3日目だがな。 1ヶ月は30日と固定されているようなので、ダンジョン解禁まで、後28日、いや、27日か… 頑張りますかね。
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