結婚しよっか

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味気なかったいつもの食事が今日は楽しくて……まるでお日様が射したように暖かく感じた…… 「あ!もうこんな時間だ!そろそろ帰らないと」 「え……」 壁にかかる時計を見て慌てて残っているコーヒーを飲む男の子に胸が締め付けられる感覚がした…… まだ……いたい……一緒にいたい……なんて思ってしまった…… 「ねえ?キミ……」 「はい?」 コーヒーを飲む男の子…… 「結婚しよっか?」 ブホーッ!! と、コーヒーを噴く男の子…… 「あちっ!あちっ!あつつ…」 「大変!これで拭いて!」 私はコーヒーがかかった男の子にタオルを渡す。 「大丈夫?ヤケドしてない?」 「大丈夫だけど……お姉さんが変なこと言うから……ハハハ」 苦笑いの男の子に私はキョトンとする。 「変なこと?なにが?」 「だって……結婚しよっかなんてからかうから……」 そうか……このコはからかわれたと思ったんだ…… 当たり前か…… でも…… 「からかってないよ……」 「え?」 からかってない……本気で思ったんだ…… このコといたいって…… このコなんだって…… これが何なのかよくわからない…… 好き?あいしてる? ちょっと違う気がした…… でも私の勘がこのコ……ううん、この人なんだって言っていた……
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